「制御盤」という言葉を聞いて、ピンとくる方は電気会社の方以外であまりいないのではないでしょうか。制御盤は、機械が発展した現在になくてはならないものです。
家に制御盤があるという方は多くありませんが、日常生活で使っているビルや交通などでは必須のものとなっています。今回は、制御盤についての概要や設計方法、用途について紹介します。
制御盤について
制御盤は、機械をコントロールするためのものです。見た目は、箱の中に細かい部品や電子機器が入っています。中に入っている部品を用いて機械を制御したり、操作したりします。大きさはさまざまで、中に入る部品の量や設置する場所によって変わります。制御盤は、主に「リレー」、「シーケンサ」、「コネクタ」、「スイッチ」、「温度センサー」の5つでできています。
リレー
リレーとは、制御部品の一つです。外部から電子信号を受信したあと、電子回路で制御することができます。外部からの電子信号を制御盤の他の機器へ受け渡す点がリレーの役割です。
シーケンサ
シーケンサは、多数のリレーをプログラムとして組み込むことができるので、リレーの本数を減らすことができます。リレーの本数が少なくなることで、制御盤を小型化することも可能です。シーケンサは専用のプログラミングが使えないと取り入れることができない点がデメリットですが、リレーの本数を減らしても機能性自体は変わらないため、現在では多くの制御盤にシーケンサが入っています。
コネクタ
コネクタとは、電子機器と電線をつなげるための部品です。コネクタを用いることで、簡単に部品同士の接続や切断が可能になり、制御盤を設計しやすくなりました。
スイッチ
スイッチは、運転・停止や設定の変更などに用いられるもので、一般的に呼ばれているスイッチと機能は変わりません。押しボタンタイプや照明式など用途によってさまざまなスイッチがあります。
温度センサー
最後に、温度センサーは、装置の温度を計測・検知して制御装置に伝える部品のことです。普通の温度計と機能は変わらないでしょう。しかし、制御盤は精密な機械や高温の測定などにも用いられるため、より正確に温度測定ができるものや、高温でも測定可能な温度計などがあります。
制御盤の設計方法から据付まで
制御盤の設計方法は、主に4つの手順があります。設計や製作、据付まで多くの人が関わるため、コミュニケーションをとりながら納品まで作業する必要があります。
見た目や部品の配置、電線の種類を決定する
まずは、制御盤の外観や部品の配置などを決定します。制御盤を置く場所や用途によって部品の種類や数、大きさが異なるので、依頼先の方と話しながら決定します。配置等が決定したら、電線の種類や配列なども定めて図面を完成させます。
プログラムの作成
図面が完成し、部品の手配も完了したらプログラムを作成することがあります。これは、シーケンサを部品として使用する場合のみ行われます。
制御盤の作成
ここまでで、制御盤の設計は完了しているので、設計者から制作者が制御盤を作ります。設計する人と制作する人が異なる場合は、しっかりとコミュニケーションをとって依頼先の要望通りになるよう制御盤を作ります。
据付と確認作業
制御盤が完成したら、据付して動作確認等の検査を行います。納品先では制御盤が正しく作動するか検査が行われ、しっかりと動くことが確認されたら完成です。
制御盤はどこで使われている?
制御盤は、工場、ビル、エレベーターなどで主に使用されています。機械が多いところには必ずあるといってもいいでしょう。用途としては機械のコントロールですが、場所によってコントロールしている機械が異なります。
工場
工場では、自動で動く機械やラインをコントロールする役割で制御盤が使われています。制御盤を使うことで、機械のコントロールを自動で行えるようになるため、快適な工場運営が可能になります。
ビル
ビルで制御盤が使用されるのは、主に空調管理です。施設に合わせて空調のコントロールができるようになるため、省エネや節電に役立ちます。また、照明や火災報知器なども制御盤でコントロールされていることが多くなっています。
エレベーター
エレベーターでは、エレベーターの動作全般に制御盤が関わります。ドアの開閉や操作スイッチ、安全装置などが正常に動くのは制御盤のおかげです。もし、制御盤に不具合が起きてしまうと、エレベーターが止まってしまったり、開閉ができなくなってしまったりします。
まとめ
制御盤は、意外にも身近なところで使われており、私たちの生活になくてはならないものです。さらに、機械が発展していくことによって、制御盤の必要性はより高くなっていきます。
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